富士山とはいったい何だったのか

ごらいこう!!

ある日,地元の友人(ネトゲ廃人)から電話があったのです.
「俺,富士山に登ろうと思うんだ.
 日本一の山に登ったら,俺,もっとデッカイ男になれると思うんだ・・・」
まるっきり地方のヤンキーの発想です.
「俺も登るから,お前もついてこい」というジャイアニズムには
いささかイラッとはしましたが,
その友人が何回か山登りを経験していて
少なくとも遭難するような危険性は無いと判断したのと,
何より「なんか面白そう」とか思っちゃったのが運の尽き.
もうひとりの友人(風俗の達人)との3人で
富士山頂への日帰りの旅を強行したのでした.
まぁ無謀としか思えない登山であり,
僕らがもう3,4歳ほど歳を食ってたら
確実に遭難してたと言わざるを得ないほどの珍道中でございました.
登山を終えた後に立ち寄った居酒屋で,
「僕ら,いい加減ムチャするのはやめような!」
とビール片手に誓い合ったものでした.
それが,1年前の9月のお話.


で,今年の4月ぐらいにまた電話があったのです.
「俺,そういえば御来光ってのを見てなかったよ.
 あれさえ見れれば,俺,富士山を制圧したってことになると思うんだ・・・」
とても29歳ネトゲ廃人の発言とは思えません.
そんなこんなで,1年経たずして
再び同じメンバーであの悪夢に向かい合うことになってしまったのでした.


日程としては,土曜の夕方くらいから登り始めて,
途中で休憩をとって,日の出30分前には頂上に到着.
場所を確保して御来光を拝む,というものでした.
土曜に出勤することになっていた僕としては
上長にその旨を報告しなければならなかったのですが,
報告した瞬間に「え!?また登んの!?」と怪奇の目.
そう,富士山は1回目登るときは
「おー,すごいじゃん.頑張って」などと
周りからは結構いい反応をしてもらえるものの,
2回目ともなると「え,また!?」「頭おかしいんじゃないの!?」などと
割と奇人変人に対する眼差しで冷たい対応をされることになるのでした.
おかげで僕の社内のキャラ付けが『熱心な登山愛好者』になってしまったのでした.
他の登山好きな社員から「今度,高尾山にでも一緒にどう?」とか誘われるし.
違うんですって.僕はただの被害者なんですってば.


でもまぁ,殊更富士山だけに関しては変に経験値が豊富だったこともあり,
今回の登山は前回よりも楽〜な感じで遂行することができました.
途中の休憩のとり方とか,無駄に把握できてましたし.
御来光は初めて見ましたけど,良いものを見たなぁという感じですね.
ここまで来た達成感ってのもあるとは思いますけど,
やっぱ高くて空気の澄んだところから見る日の出は格別だと思いましたね.
でもやっぱり見るのは一回きりでいいですね.
来年も行くとか言われたら即刻断ってやろうと思います.