『パスタ』という単語から想像された最低駄文


「・・・お待たせしましたー.ご注文はお決まりですかー?」
「ボ,ボ,ボクのナポリタンが,激しくニョッキしてしまったので,
 お,お姉さんのラビオリでペペロンチーノして欲しいんです!」
その注文に少し驚いたものの,すぐさま表情が引き締めるお姉さん.


「・・・ボウヤ,このお店に来るのは,初めてよね?」
先ほどのハキハキした営業ヴォイスとはうってかわった,
甘ったるい妖艶な声が,耳元で囁かれた.
「は,はい!ボク,『このお店には,ウラのカオがある』って
 ウワサを聞いて,ここならボクの願いが叶えられるって・・・」
「・・・そのウワサ,誰から聞いたの?」
「えっと,確か『ペスカトーレ男爵』って名乗ってましたけど・・・」
「チッ,あのエロオヤジ,勝手なことばかり言ってくれるわね」
お姉さんは,ウンザリといった表情で,ひとり悪態づいた.


「・・・でも,折角来てくれたのに,タダで帰すわけにはいかないわよね.
 いいわ,今日だけ特別サービスよ.付き合ってあげる」
そう言うと,お姉さんはボクの肩に腕を絡めて抱きかかり,
そのまま僕の顔をジロリと覗き込んできた.
「・・・それにアタシ,アナタみたいな子,キライじゃないもの」


ドキリとした.
その切れ長で黒目がちな瞳でみつめられると,
まるで,深いエメラルドグリーンの瞳孔の中に
吸い込まれてしまいそうになった.
「うふふ,少し遊んで・あ・げ・る」


気がつけば,お姉さんはボクのズボンのチャックをおろし,
その隙間から,ボクのニョッキしたナポリタンを取り出した.
ボクのナポリタンは,まるで己の存在を誇示するが如く,そそり出ていた.
・・・すごい!なんという早業なのだろう.
やはりこの人,タダモノではない.ボクは戦慄が走った.


お姉さんは,その白魚のようなフェデリーニで,
ボクのナポリタンをトレネッテしてくる.
「うっ!」・・・ゾクゾクした.思わず声が出てしまった.
「あら?可愛い声を出すのね?」
お姉さんのトレネッテは,ますます激しくなっていくばかりだ.
ひとりきりでのラザーニェでは絶対に味わえない快楽に,
ボクは酔い痴れていた.


「うふふ,顔に似合わず,ココはこんなにアルデンテなのね」
「そ,そんなコト言わないで下さい!恥ずかしい・・・!」
ボクは,自分でも驚くぐらいフェットチーネしていた.
こんなの,生まれて初めてだ.


すぐに限界は訪れた.
「お姉さん!ボク,もう・・・!」
「なぁに?もう,ブカティーニしちゃいそうなの?
 まだペペロンチーノもしてないのよ?」
「も,もう,もう・・・!」
「・・・仕様がないわね.いいわよ,まだ若いんだから.
 私のカルボナーラに,アナタのパルメザンチーズ,たっぷりかけて頂戴」
「で,出る〜〜〜!!」


・・・ここまで書くまでに,5回ほど死にたくなりました.