自販少女

仕事をしてると,どーしても眠くなってくるお昼過ぎ.
社内の自動販売機でデミタスコーヒーを買って,
風の当たる場所で飲んで一息つく,ってのが
僕の日課だったりするのですが.


で,そのダイドーの自販機,
去年の11月にウチの社内に設置されたものなんですが,
なんとビックリ,抽選機能付き.
ボタンを押したら『ピピピピ・・・』という電子音とともに
価格表示欄がスロットの如く,目まぐるしく回りだし,
4つの数字が揃えば当たり,もう1本もっていきんさい,という
母親的おせっかいマシーンでございます.
普通の缶飲料の設定価格が90円ということも含めると,
相当に採算度外視なマシーンになっております.


その当選確率というのが,
人に聞いた話だと,1/60.
つまり,60回買ったら,1本はオマケが付いてくる算段です.
1/60っつったら,すごいわけですよ.ギャンブラー的には.
設定6どころか,設定32くらいの当たり易さ.
実際,この自販機が設置された当初から,
「さっき,あたっちゃったんだよー」とか,
「俺,この前なんか2本連続であたったよ」とか,
数々の武勇伝が,僕の耳に入ってくる状況なのですよ.


・・・ここらへんで,そろそろオチが読めてきたと思いますが,
えぇ,そうなんですよ.僕,全然当たらないのです.
設置当初から,毎日必ず1本購入しているにも関わらず,
無情にもスロットは,最後の数字だけが
ひとつズレて止まる光景しか,見たことがないのです.
「今日は当たる!」と思い込んで1日3本買ってみたり,
悔しさのあまり連続で2本買ってみたりと,
試行錯誤を繰り返したものの,完全にスルー状態.


で,ひとつ思ったわけですよ.
『いつも押してるデミタスコーヒーのボタンが良くないのかも』と.
で,その翌日押したのが,『ホットミルクセーキ』.
ピッ,ガシャンコ,ピピピピピ・・・ 『3・3・3・4』
何だよ!僕の努力,まるっきり無視かよ!
ホットミルクセーキて,コレ飲んだら逆に喉が渇いたじゃないかー!


しかもあの自販機,喋りやがるのです.
なんかこう,カワイイ系の女性の声で,
「ありがとうございました.お釣りをお忘れなく」とか,
「午後からも,お仕事頑張ってください!」とかさ.
いや,そんな社交辞令はいいから,お礼は現物で渡してくれませんか?と.
むしろ,その自販機の中から出てきて,
今すぐ僕の家で共同生活を始めませんか?と.
ホント,いつなんですか?いつになったら,
僕の目の前に『ビデオショップ GOKURAKU』は
現れてくれるんですか?
こんなにピュアな心を持っているのに・・・


僕にはギャンブル運が無くて
それ以上にピュアな心が残されていないという,そんな話でした.